昨今の健康食ブームはなかなか盛況を得ているようですが、私のところにもキヌアという代物が聞えてきました。どうやら便秘に効果があるとか、ないとか
キヌアは、ヒユ科アカザ亜科アカザ属の植物です。
っていってもさっぱりわからない。
どうやら粟(アワ)や稗(ヒエ)雑穀に分類されるようです。
またキヌアは一つの房に250-500個程度の種子がとれ、標高2500m以上の高地でも育つ頼もしさをもっているすごーく繁殖力と生命力に優れた植物なのです。
もとものキヌアは今から7000年以上も前の古代インカ帝国の時代から食物とされていました。最初野生のキヌアを、そして栽培技法が出来てくると自分達で肥培管理され栽培されてきました。
世界的に知名度がアップしている穀物ですが、世界レベルではボリビアが最大の輸出国となっており年間15000t。ペルーが次点で年間12000tといわれています。
日本でも各地でキヌアの栽培を手掛ける農家さんが増えてきています。
日本でも古くから知られていたようですが、知名度が上がったのは1990年代、当時のNASA、アメリカ航空宇宙局が、栄養価が高く世界中で栽培可能、しかも安価で大量生産が可能であることで今後の世界の食物事情を一変できる可能性がある食べ物として推奨しました。
また、国際連合食糧農業機関(FAO)も、キヌアの並外れた栄養価と多様な生態環境への適応能力が評価され、世界の食料危機を救う重要な手段になり得るとし、2013年を「国際キヌア年」と指定しました。
日本でも2016年に日本キヌア協会が設立されて、2月20日をキヌアの日と制定しました。
上記のように非常に人にとって優等生な食物キヌアですが、他の食物と比べてどのくらいすごいのでしょうか
一般的な白米とキヌアと並んで人気があるアマランサスと比べると
白米 | キヌア | アマランサス | |
エネルギー(kcal) | 356 | 368 | 371 |
炭水化物(g) | 77.1 | 64.2 | 65.3 |
たんぱく質(g) | 6.1 | 14.1 | 13.6 |
脂質(g) | 0.9 | 6.0 | 7.0 |
食物繊維(g) | 0.5 | 7.0 | 6.7 |
水分(g) | 15.5 | 13.0 | 11.3 |
ナトリウム(mg) | 1.0 | 5.0 | 4.0 |
カリウム(mg) | 88 | 563 | 508 |
カルシウム(mg) | 5 | 47 | 159 |
マグネシウム(mg) | 23 | 197 | 248 |
表にするとわかりやすと思いますが
単純に
タンパク質については 2倍強
脂質については 5倍強
食物繊維については 12倍強
カリウムについては 6倍強
カルシウムについては 10倍弱
マグネシウムについては 9倍
等々、ほんと巷でいうところのスーパーフードも伊達ではないと思わせるデータです。
アマランサスのカルシウム値はなんと30倍以上あったりします。
実際表からは脂質も5倍強と逆に健康に悪いと思われるが、キヌアの脂質成分はおもにリノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸が大部分を占めている。
リノレン酸は
血中の中性脂肪を下げる効果
血栓ができるのを防止する効果
高血圧を予防する効果
アレルギー疾患を予防する効果
心臓血管系疾患、心筋梗塞を予防する効果
鬱症状の改善
オレイン酸は
血中コレステロールを減少させる効果
動脈硬化にともなう心筋梗塞・脳梗塞を予防する効果
高血圧・糖尿病など、生活習慣病を予防する効果
ガンを抑制する効果
胃酸の分泌を調整して、胃の健康を守る効果
パルミチン酸(ヘキサデカン酸)は
しわを抑える効果
ニキビを減らす効果
動脈硬化を予防する効果
が各々期待できます。
まずキヌアは白米にくらべ
食物繊維について 12倍強、またマグネシウムについては 9倍と便に水分を含ませる効果、しいては大腸が水分を吸収されにくくする効果は白米にくらべ10倍近くあります。便の水分を保ったままでいられれば体積を維持し硬くなりにくくなるため、便秘解消にかなり効果が期待されます。
クヌアの表面にはサポニンといわれる苦味成分が含まれていますが、過剰摂取すると、血液中の赤血球を壊す恐れがあるといわれています。がしかし、調理する前に良く洗えば取れますから問題ありません。
基本的にアレルゲン(アレルギーの元)がないため穀物アレルギーをもつ人でも大丈夫です。また妊婦さんや子供でも食べられる穀物です。
一般的には白米に混ぜて炊くのがよいでしょう。
クヌアを米に対し1:3程度の比率で混ぜて炊くのがベスト
具体的には米3合に対しキヌアを1合程度含ませるのがよいとされています。
キヌア自体無味無臭で、食感は少しプチプチ感がある感じです。
現在、様々なキヌアが通販で売られていますが、どれがよいのかどれが安全なのかをある程度自分で見極めないといけません。
①原産地の明記
買おうとしているキヌアがどこの国から輸入されてきたのかが明確になっていること、キヌア自体の品種は現在千種類以上あるといわれています。そういった中でどの国のキヌアなのかがわからないとそもそも心配です。
②ショップの対応度
キヌアを買おうとしているショップの対応度は非常に重要です。注文したのはいいが、なかなか品物が届かない。届いたのはいいが注文したのと違うとか。・・・
また、キヌアは食べ物です。安全性について熟知されているお店が買うのがベスト。その後のアフターサービスも大事ですので注文しようとしているショップを良く観察することが大事ですね。
上記でダラダラと書いてきましたが、キヌアは今でこそスーパーフードと呼ばれて世界的にも知名度が高くなりましたが、本来は、やせた耕地でも育つ高繁殖性と環境適応力、そして普段食べる米よりも栄養価が高いことが世界の食料事情を補完できるとしてNASAが推奨したのが始まりです。また国際FAOでも同様の理由からアニバーサリーを制定しました。しかしキヌア自体は上でも書いたとおり、古くはインカ帝国の時代、紀元前5000年ころからすでに食べられていました。そのころの食糧事情はとても貧しかったと推測されます。そういった中での栄養価の高い穀物として非常に貴重だったといえます。キヌアの知名度が上がるとともに金額もアップしてきました。手軽に食べらる食材から高級食材となってしまっては元来キヌアがもつべき特性が生かされなくなることも考えられます。日本でもそういった志をもって動き出している組織もあります。
また、キヌアが栄養価が高いいわれるのは同種系の穀物に対してであって、豆類には及ぼないところもあります。
多少否定的なことも書きましたが、ここは便秘についてのテーマなため、便秘解消というジャンルでは、有効な食べ物であるのは間違いありません。